海外資産に関する税金情報ガイド:申告方法から外国税額控除まで完全ガイド

Hoi Yi Leung

海外に不動産や金融資産などを持っている場合、海外資産に対する税金はどのように計算・納付すれば良いか気になることでしょう。

原則として、海外資産から得た所得に対して、日本でも所得税がかかります。また、相続・贈与税や固定資産税なども同様です。ただし、二重課税を防止するため、外国税額控除を受けられる場合があります。¹

この記事では、海外資産に対する税金の基本情報から申告義務、確定申告の方法まで、詳しく解説していきます。

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目次🔖

海外資産と税金を取り巻く背景

グローバル化が進み、海外に不動産や株式、証券などの資産を持つ方も多くなっています。また、海外を拠点に給与を受け取っていたり、海外に家族がいたりという方もいるでしょう。このような背景から、海外資産にまつわる税務への注目も高まっています。

日本では全世界所得課税制度が採用されており、日本の居住者ならば日本国内に限らず全世界で発生した所得に対して所得税を納める必要があります。また海外からの贈与・相続も、基本的に日本国内で課税対象となります。¹

しかし、これでは資産のある国と日本において二重課税が発生してしまうことも。このような事態を防止するため、租税条約の規定や外国税額控除を活用することができます。² ³

ここから、海外資産に対する課税の仕組みや申告方法、控除を受けるための手順などを解説していきます。

この記事は概説的な情報提供のみを目的としており、個別の税務アドバイスを提供するものではありません。詳細は税理士などの専門家に相談するようにしてください。

海外資産に関連する主要な税金

海外資産にまつわる税金には、次のようなものが考えられます。

  • 所得税
  • 固定資産税
  • 贈与税
  • 相続税
  • 譲渡所得税(キャピタルゲイン課税)

これらは日本における税金の種類と名称であり、海外では呼び方や中身が異なる場合があります。また、国によっては所得税やキャピタルゲイン税がない場合もあります。

日本では、日本の居住者であるか非居住者であるかによって課税対象が変わります。居住者は国内外問わず全所得が課税対象となりますが、非居住者なら日本国内源泉所得のみが対象となります。

これらの税金を海外でも納付している場合、二重課税を避けるため、確定申告時に外国税額控除を受けることができることがあります。

国外財産調書と申告義務の基礎知識

日本の居住者である場合、海外に5000万円相当以上の資産を有している人は国外財産調書の提出が義務付けられています。⁴ ⁵

国外財産調書の詳細

項目詳細
対象者その年の12月31日において、価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する居住者
対象となる資産土地、不動産、現金、預貯金、有価証券、貸付金、暗号資産、利子や配当、美術工芸品など
提出期限翌年の6月30日まで
申告方法「国外財産調書」及び「国外財産調書合計表」をあわせて、住所地等の所轄税務署長に提出(e-Taxでの提出も可)
記載内容資産の種類、用途、数量・価額等、所在など
罰則偽りの記載をした場合または正当な理由なく期限内に提出しなかった場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されることがある

確定申告の基本と海外資産

海外資産も国内の所得と同じく、確定申告の際に所得として税額を計算し、納税する必要があります。海外において源泉徴収されている場合でも、日本の税金が自動的に引かれることはないため、確定申告を忘れないようにしましょう。⁶

保有している資産が総合課税または分離課税のどちらにあたるかは、資産の種類によって異なります。⁷ ⁸ ⁹

課税資産の種類
総合課税
  • 不動産所得(不動産の賃貸収入など)
  • 利子所得(海外口座の預金に対する利子)
  • 配当所得(海外の株式などからの配当金)
  • 給与所得(海外勤務によって得た報酬)
分離課税
  • 譲渡所得(海外不動産や株式の売却益)
  • 退職所得(海外で得た退職金)

外国税額控除を受けるには?

外国税額控除とは、海外において日本でいう所得税にあたる税金(外国所得税)を納めた場合、控除限度額以内の金額分をその年の所得税額から差し引くことができる制度です。控除限度額は、次の式で求めることができます。³

所得税の控除限度額=その年分の所得税額 ×(その年分の調整国外所得金額/その年分の所得総額)

控除を受ける際には、確定申告の時にあわせて外国税額控除に関する明細書を提出しましょう。明細書の記入方法や控除額の詳しい計算方法は国税庁のウェブサイトなどでも確認できますが、正確な申告のためには税理士に相談することが重要です。¹¹

外国税額控除の適用を受けるためには、次の書類をしっかり準備しておくことも忘れないようにしましょう。

  • 海外で納税したことを証明する書類(納税証明書、税額通知書など)
  • 現地通貨の税額を日本円に換算した計算表
  • 租税条約が適用される場合、その内容を明示する資料

日本と租税条約を締結している国であれば、所得の種類によっては日本での納税が免除される場合もあるので、事前に確認しておくことがおすすめです。

海外資産運用に関連する注意点

海外資産を適切かつ効果的に運用するためには、税務処理に関していくつかの点を理解しておくことが重要です。海外にある資産だからといって日本での申告を忘れると、後に追徴課税や罰則を受ける可能性があります。

  • 居住者としての課税範囲:日本では、税法上の居住者は全世界所得課税の対象です。つまり、国内外すべての所得が日本の所得税や住民税の課税対象になります。海外での資産運用による利益も含まれます。
  • 国外財産調書の提出義務:毎年12月31日時点で、海外に5,000万円を超える財産を持つ場合、国外財産調書を提出しなければなりません。
  • 現地税との二重課税:海外での課税と日本での課税が重複することがあります。この場合、外国税額控除を利用して日本の税金から控除できる場合があります。

また、国によって課税ルールが異なり、税額の計算時に為替レートの影響を受ける場合もあります。正確な納税のために、税理士や専門家のアドバイスを受けることが重要です。

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注意事項:Wiseは税務申告に関するサービスを提供していません。税金の計算や申告は専門家のサポートを検討してください。

よくある疑問と一般的なケースの紹介

海外資産とそれに伴う税金の処理に関して、よくある疑問を紹介します。

海外転出後に税務申告は必要?

日本を離れて海外に移住する場合でも、転出前の年に得た所得については確定申告が必要です。また、国外に移住し非居住者となる場合は、日本国内源泉所得のみ課税対象となります。国内源泉所得がある場合は、非居住者であっても確定申告が必要です。

国外財産調書はどのように記入する?

国外財産調書には、財産の種類、数量、価額、所在地を具体的に記載します。価額は12月31日時点の時価で評価し、外国通貨の場合は日本円に換算します。詳細な記入方法に関しては税理士に相談しましょう。

海外口座にある預金は申告が必要?

はい、海外口座に預けた預金も国外財産調書の対象です。口座残高が5,000万円以上の場合、必ず調書に記載しなければなりません。また、利息収入が発生している場合は、利子所得として確定申告が必要です。

海外の不動産から得た家賃収入はどう申告する?

海外の不動産から得た家賃収入は不動産所得として総合課税の対象です。現地で税金を支払った場合でも、確定申告時に外国税額控除を適用して二重課税を回避できます。適切な控除の計算には、現地の納税証明書が必要です。

海外からの送金は課税対象になる?

日本の居住者が海外から送金を受け取った場合、その送金額自体は課税対象ではありません。ただし、その送金が海外所得や財産売却による利益である場合、それらの所得は確定申告で申告する必要があります。

専門家や公式情報源を活用する方法

海外資産を保有し確定申告を行う際は、税理士やファイナンシャルプランナーなどの専門家への相談が欠かせません。税制は国ごとに異なり、租税条約や外国税額控除の適用方法には複雑なルールが存在します。正確な申告と節税対策のために、専門家の助言を受けるようにしましょう。

また、日本の税務情報を正確に把握するために、国税庁の公式ウェブサイトも活用しましょう。ここでは国外財産調書や所得税に関する最新の情報が提供されており、重要な申告手続きの詳細を確認できます。

まとめ

ここまで、海外資産にまつわる税金の基本情報を紹介しました。日本の居住者であるなら、海外資産から得られた所得に対して日本国内でも税金がかかり、また海外資産について税務署に申告する義務が生じることもあります。

これらの納税や申告を怠るとペナルティが課されることも。海外で資産を運用している人やこれからしたいと考えている人は、税務に関する規定をしっかりと理解しておくことが重要です。また、税理士などの専門家に相談することもおすすめします。

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ソース

  1. 3.7 個人税制の概要 | Section 3. 税制 - 日本での拠点設立方法 - 対日投資 - ジェトロ
  2. 租税条約に関する資料 : 財務省
  3. No.1240 居住者に係る外国税額控除|国税庁
  4. No.7456 国外財産調書の提出義務|国税庁
  5. 国外財産調書制度 (FAQ)| 国税庁
  6. 3.2 海外資産の運用に係る確定申告〜海外資産からの収益にも税金が発生します〜 | 国際資産税.com
  7. 【確定申告書等作成コーナー】-課税方法(総合課税と申告分離課税)
  8. No.3560 居住者が海外の不動産を売却した場合の課税関係等|国税庁
  9. No.1937 居住者が海外で株式等を売却した場合の課税関係等|国税庁
  10. No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
  11. 外国税額控除に関する明細書(居住者用)| 国税庁

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