海外赴任時の健康保険について社会保障協定や扶養家族も含めて徹底解説

Yuyuki Tanno

「海外赴任後も健康保険はそのまま利用できるの?」と、これからの海外赴任にあたり非居住者になる人は悩んでいるかもしれません。

そこでこの記事では、海外赴任時の健康保険事情について詳しく解説していきます。

また、海外赴任時に役立つ、日本の銀行と比べ最大16倍安く海外送金ができるWise(ワイズ)についても紹介しますので、併せて参考にしてください。

目次🔖
  • 海外赴任時の健康保険: 日本の会社と雇用関係がある場合
  • 海外赴任時の健康保険: 日本の会社と雇用関係がない場合
  • 社会保障協定とは?
  • 海外在住者の健康保険に関する質問
  • 海外赴任時に日本の銀行の最大16倍安く海外送金:Wise
  • まとめ
  • 海外赴任時の健康保険: 日本の会社と雇用関係がある場合

    海外赴任時に、日本での勤務先の健康保険が使用できるかどうかは、日本の会社との雇用関係の有無によって分かれます。

    まず、海外赴任後も日本の会社と雇用関係がある場合は、健康保険の資格が継続されるので、一般的に健康保険をそのまま利用できます¹。

    もし赴任先で病院にかかる場合は、日本の健康保険証は利用できません。しかし現地でかかった医療費を立替払いし、後日、日本の健康保険組合に「海外医療費(療養費)支給申請書」を提出すれば、一部医療費が返金されます²。

    海外赴任時の健康保険: 日本の会社と雇用関係がない場合

    では海外赴任後に海外の企業へ移籍扱いになるなど、日本の会社と雇用関係がなくなった場合にはどうなるのでしょうか。この場合は、日本の健康保険の資格は喪失し、日本の健康保険証も使えなくなります¹。現地で新たに健康保険組合に加入するか、民間の海外旅行保険に加入する必要があるでしょう。

    日本の会社と雇用関係はある、でも給与支払いがない場合は?

    日本の会社と雇用関係は残るものの、現地企業から給与を支払われる場合は「雇用関係が継続していない」とみなされ、健康保険の資格も喪失する可能性が高いです。こうした判断は、労務の提供や給与の支払い、指揮命令の状態などから総合的に判断されます。

    日本の健康保険組合を抜けた場合、厚生年金保険はどうなる?

    日本の健康保険組合を抜けた場合は、それに伴って厚生年金保険の加入資格も失います。よって厚生年金保険料を支払う必要もなくなります。

    また海外赴任した人は、日本の自営業者などが加入する国民年金保険に加入する義務もありません。しかし国民年金保険に任意加入することもできます。将来の年金額が減少することに不安を覚えるなら、海外赴任の間は国民年金保険へ加入しておくのもよいかもしれません。

    社会保障協定とは?³

    社会保障協定とは、日本と外国とで健康保険や年金などの社会保険制度に二重で加入する状態になった際に、日本で発行した証明書を提示することによって、外国の社会保険制度への加入が免除される協定です。

    この制度があることで、日本と海外とで二重に社会保険制度に加入し、健康保険や年金などの保険料を二重に支払うというリスクを回避することができます。

    日本との社会保障協定が締結されている国に海外赴任

    2022年6月1日時点で、社会保障協定を発効している国は、以下の22ヶ国です。なお、イタリアとは署名済みであるものの、発効には至っていません。

    <社会保障協定を発行済みの国>

    ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン、スロバキア、中国、フィンランド、スウェーデン

    参考:日本年金機構「社会保障協定」

    このうち、二重加入防止の対象となる社会保障制度や、年金制度の期間通算の可・不可は、それぞれの国によって違いがあります。自分が渡航する国で適用される社会保障協定の条件を、事前に確認しておくとよいでしょう。

    二重加入防止の対象となる制度年金制度の 期間通算対象となる国
    公的年金制度のみドイツ、カナダ、オーストラリア、スペイン、アイルランド、ブラジル、インド、フィリピン、スウェーデン
    公的年金制度のみ×イギリス、韓国、中国
    公的年金制度、公的雇用保険制度フィンランド、イタリア(発効準備中)
    公的年金制度、公的雇用保険制度×なし
    公的年金制度、公的医療保険制度アメリカ、スイス、
    公的年金制度、公的医療保険制度×なし
    公的年金制度、公的医療保険制度(相手国側は雇用保険なども含む)ベルギー、フランス、オランダ、チェコ、ハンガリー、ルクセンブルク、スロバキア
    公的年金制度、公的医療保険制度(相手国側は雇用保険なども含む)×なし

    参考:日本年金機構「協定を結んでいる国との協定発効時期および対象となる社会保障制度」

    なお、元々5年以内の予定で海外赴任する場合、赴任先の社会保険には加入せずに済みますが、5年超の海外赴任の場合は、相手国の社会保険制度に加入します⁴。

    また赴任期間が5年以内の予定だったものの、実際は5年を超えた場合はどうなるのでしょうか。この場合は原則的に相手国の社会保障制度に加入しますが、もし両国の合意が得られた場合には、日本の社会保障制度に加入したままにできるケースもあるため、協議の余地があります。

    日本との社会保障協定が締結されていない国に海外赴任

    もし日本との社会保障協定が締結されていない国に海外赴任する場合は、その国の就労ルールに従うことになります⁵。二重に社会保険に加入する場合は保険料が多くかかるため、日本の健康保険や年金保険制度から抜けるケースもあるようです。

    海外在住者の健康保険に関する質問

    これから海外赴任する人が健康保険について抱きやすい質問について、簡単に回答します。

    海外赴任者の帯同家族の健康保険はどうなるの?

    海外赴任に家族も帯同する場合は、家族の健康保険も継続もしくは喪失の対象になります。もし海外赴任する本人が健康保険を継続するなら、家族もそのまま継続となる可能性が高いですが、海外ビザ(家族帯同ビザ)や海外赴任辞令などの書類を提出する必要があります⁶。また赴任者本人が健康保険の加入資格を喪失する際は、家族もその資格を失うでしょう。

    詳しくは、加入している健康保険組合に問い合わせて確認してみて下さい。

    海外転出者の国民健康保険はどうなるの?

    自営業者やフリーランスなどは、健康保険ではなく国民健康保険に加入しています。もし海外赴任などで海外転出した際には、国民健康保険の加入資格を喪失するため、脱退手続きが必要です⁷。

    しかし短期間の海外赴任の場合は、海外療養費支給制度を利用できます⁷。もし海外の医療機関を受診した際は、診療内容明細書や領収明細書などを各市町村の国保給付係などに提出してください。詳しくは各市町村の保険担当課に問い合わせるとよいでしょう。

    海外赴任時に日本の銀行の最大16倍安く海外送金:Wise

    海外赴任をすると、日本と海外とで送金や送金受け取りを行う機会が増加します。そんなときにWiseのサービスを利用すれば、よりお得にお金のやりとりを行えるかもしれません。

    Wise (ワイズ)とは?

    Wiseとは、グローバルで送金サービスや決済サービスを提供している会社です。

    そのサービスとしては、リアルレートで銀行の最大16倍安く送金できる海外送金や、50通貨以上を保有できて、まるで現地にいるかのようにお金を管理できる、マルチカレンシー口座と、外貨のままお得に決済できるデビットカードがあります。

    Wiseでは日本でまだ馴染みが薄いかもしれません。しかし日本ではワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が関東財務局で資金移動業者として認可されているため、安心して利用できます。

    またWiseは、世界で1300万人以上の利用者がおり、1ヶ月当たり80億ポンド(1兆3000億円)も送金されています。グローバルで多くの方に利用されているサービスだといえるでしょう。

    こちらの記事では、海外赴任時に使えるWiseの機能について全て詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。

    非居住者におすすめのWise

    Wise非居住者となる海外赴任者にこそおすすめできます。非居住者は日本にいる家族のそれぞれに送金したり、送金してもらう機会が増えるかもしれないからです。そんなときに為替手数料のかからないリアルレートで送金できるWiseを使用すると、送金の際の手数料を抑えることができるかもしれません。

    The true cost of sending JPY to USD

    また、マルチカレンシー口座はまるで現地にいるかのように約50もの通貨を保有できるのが特徴です。さらに該当10通貨を使用している国に海外赴任する場合、現地口座情報を取得し、Wiseで給料などを受け取れます。

    そしてその給料や口座内にあるお金を、デビットカードで日本の銀行の最大2.4倍お得に外貨決済をすることができます。

    Wiseは海外送金10通貨の口座情報取得、お得なデビットカードなどを通して、海外赴任に行く人をサポートしていきます。

    Wise無料会員登録💡

    まとめ

    海外赴任時には、その勤務形態や勤務期間によって、日本の健康保険に加入できなくなる可能性があります。また二重で社会保険に加入しないといけないかもしれません。しかしアメリカや韓国など社会保障協定を締結している国へ赴任する場合は、二重に社会保険料を支払う必要がなくなります。

    また海外での送金や送金受け取り、外貨での支払いなどには、Wiseのサービスが十分に活用できます。海外生活の利便性を高めるためにも、ぜひ一度活用してみてください。

    Wise for sending money


    ソース

    1. 日本年金機構 | 海外勤務者の報酬の取り扱い
    2. 全国健康保険協会 | 海外で急な病気にかかって治療を受けたとき(海外療養費)
    3. 日本年金機構 | 社会保障協定
    4. 日本年金機構 | 日本から協定を結んでいる国で働く場合の加入すべき制度
    5. 日本年金機構 | Q このたび外国で働くことになりました。その国における年金の加入手続きはどうなるのですか。
    6. 日本年金機構 | 従業員の家族が海外居住の場合の手続き
    7. 外務省 | 海外在住者と日本の医療保険,年金

    *最新の手数料に関する情報は、お住まいの地域の利用規約およびサービスの利用条件をご確認いただくか、Wiseの手数料ページをご覧ください。これは一般的な情報提供を目的としたものであり、Wise Payments Limitedまたはその子会社、関連会社による法律、税務、その他の専門的なアドバイスを意味するものではありません。また、ファイナンシャルアドバイザーやその他の専門家によるアドバイスの代わりになるものではありません。



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