<2022年最新>PayPalとWise(旧Wise)を徹底比較!

Yumiko Kijima

海外送金と言えば、PayPalを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?確かにPayPalは、世界で最も広く利用されているオンライン海外送金サービスの1つです。

最近では他にも多くの海外送金サービスが登場していて、その1つがWiseです。Wiseは2016年に日本でサービスを開始してから、急速な勢いで利用者数を増やしています。

そんなPayPalとWise。一見すると似ているサービスですが、実は色々な違いがあります。あなたがニーズに合った最適なサービスを選べるよう、この記事ではPayPalとWiseを詳しく比較しました。

目次
  • PayPalとWise比較:会社概要
  • PayPalとWise比較:為替レート(為替手数料)
  • PayPalとWise比較:送金・海外送金
  • PayPalとWise比較:送金・海外送金受け取り
  • PayPalとWise比較:日本円・外貨での支払い
  • PayPalとWise比較:銀行口座への引き出し
  • PayPalとWise比較:ATM出金(Wiseのみ)
  • PayPalとWise比較:オンライン決済代行(PayPalのみ)
  • まとめ
  • PayPalとWise比較:会社概要

    まずは、会社とサービスの基本情報を比べてみましょう。

    PayPalWise
    設立年1998年¹2011年
    本社アメリカ¹イギリス
    日本サービス開始2010年²2016年
    ユーザー数4億2900万人¹1300万人
    評判1.6/5.0³4.5/5.0⁴

    上の表を見ると、PayPalとWiseでは大きく違っていることが分かります。1998年にアメリカで設立されたPayPalは、国際送金サービスの草分け的存在であり、その分ユーザー数も非常に多くなっています。しかし反対にTrustPilotでの評価はあまり高いとは言えません。

    対してWiseは2011年設立の比較的新しい会社ですが、急速にユーザー数を増やしています。また、TrustPilotでの評価も5点中4.5点と高く、信頼できる会社であることが分かります。

    PayPalとWise比較:為替レート(為替手数料)

    PayPalWise
    為替レート基本為替レート⁺3.00%~4.00%(※)⁵実際の為替レート(ミッドマーケットレート)

    ※送金人負担の場合は4.0%、受取人負担の場合は3.0%。

    PayPalとWiseの大きな違いは、為替レートにあります。PayPalの為替レートには3.00%~4.00%の為替手数料が含まれているのに対し、Wiseの為替レートは常に実際の為替レートを使用しています。

    具体的な例を見てみましょう。

    アメリカの受取人が1,000ドル受け取れるように日本から送金する場合

    PayPal¹ºWise¹¹
    為替レート(1ドルあたり)PayPalの独自の為替手数料を上乗せしたレート(149.01円)実際の為替レート(144.035円)
    海外送金手数料499円1,169円(0.75%+89円)
    合計送金額149,509円145,204円 送金する

    (送金シミュレーション:2022年9月7日11:15,11:16(GMT+3))

    計算

    • PayPal:149.01円/ドル × 1,000ドル + 499円 = 149,509円
    • Wise:144.035円/ドル × 1,000ドル + 1,169円 = 145,204円

    一見PayPalの海外送金手数料の方が安く見えますが、PayPalの為替レート自体にも手数料が含まれていることに注意しましょう。合計送金額を見ると、上記の例では Wiseの方が4千円以上安い送金額で1,000ドルを届けられることがわかります。

    PayPalの手数料を含んだ為替レートは、なかなか気が付きにくい「隠れコスト」とも言えるかもしれません。

    PayPalとWise比較:送金・海外送金

    PayPalWise
    海外送金手数料499円⁶通貨・送金額による 0.75%+89円(アメリカに送金する場合)
    為替レート基本為替レート⁺4.00%⁵実際の為替レート(ミッドマーケットレート
    送金にかかる時間PayPal残高に入金されてから、銀行口座への引き出しには通常3営業日かかる即日〜数日
    日本円から送金できる対応通貨数100通貨以上⁷50通貨以上

    Wiseの送金手数料は通貨や送金額によって異なりますが、常に送金額の1%以内と格安に抑えられています。そして、PayPalと違って為替手数料が含まれていないので、実際にはPayPalyよりも安く送金できることがほとんどです。

    PayPalでは相手の銀行口座ではなく、オンラインのPayPalアカウントに送金するため、即時で着金できることが魅力です。また、100種類以上の多様な通貨に対応していることも特徴的です。

    PayPalとWise比較:送金・海外送金受け取り

    PayPalWise
    海外送金受け取り手数料個人間送金:無料 商用送金:4.10% + 固定手数料⁸外貨口座情報を使って、外貨のまま無料で受け取り可能
    為替レート基本為替レート⁺3~4.00%ミッドマーケットレート
    受け取り通貨22通貨10通貨

    PayPalでは、家族や友人など個人間の送金は常に無料です。しかし、商品やサービスの代金などの商用支払いの場合は、受け取り側が4.10% + (通貨によって異なる)固定手数料を手数料として支払う必要があります。

    対してWiseでは、現地の口座情報を同じアカウント内で取得できるため、国内送金を受け取るのと同じ形で海外送金を受け取ることができます。そのため、主要10通貨は受取手数料無料で外貨のまま受け取れます

    Wiseで受取手数料無料で外貨のまま受け取れる10通貨
    米ドル、英ポンド、ユーロ、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、シンガポールドル、ルーマニアレイ、ハンガリーフォリント

    また主要10通貨以外の場合は、逆に送金人にWiseを使ってもらうことで、自分の日本の銀行口座でお金を受け取ることができます。

    PayPalとWise比較:日本円・外貨での支払い

    PayPalWise
    両替を必要としない場合無料無料
    両替が必要な場合4.00%0.6%(日本円→米ドルの場合)

    PayPalとWiseは両方とも、アカウント内の残高を支払いに使うことができます。

    WiseではWiseデビットカードを発行して、クレジットカードと同じようにオンラインや実店舗での決済に利用することもできます。もちろん、外貨は外貨のまま支払いに使うことができ、両替が必要な際は格安の両替手数料のみがかかります。

    それに対してPayPalは、オンラインでの支払いにのみ残高を利用することができます。PayPal支払いに対応している店舗で支払う際に「PayPal残高を使用する」を選択するだけです。ただし、AmazonなどPayPal支払いに対応していない店舗では使うことはできません。

    PayPalを使って異なる通貨での支払いを行うと、4%の手数料がかかるので注意が必要です。例えばアメリカの通販サイトで1,000ドルの買い物をした場合、実際に支払う額は1,040ドル分の日本円になるということです。

    Wiseデビットカードの場合、0.6%の手数料がかかるので、支払う額は1,006ドル分の日本円になります。

    PayPalとWise比較:銀行口座への引き出し

    PayPalWise
    銀行口座引き出し手数料5万円以上:無料、5万円未満:250円208円

    PayPal、Wiseの両方で、アカウントから日本の銀行の口座に残高を引き出すことができます。手数料はほとんど同じですが、PayPalは高額な引き出しの手数料が無料になります。

    PayPalとWise比較:ATM出金(Wiseのみ)

    Wise30,000円未満/月30,000円以上/月
    2回以下の引き出し無料1.75%
    3回以上の引き出し70円70円+ 1.75%

    Wiseでは、Wiseデビットカードを使って海外のATMから現地通貨の現金を引き出すことが可能です。これはPayPalにはない機能です。毎月2回、3万円までの引出しであれば、手数料も無料なので嬉しいですね。

    shop-wise-debit-card-jp

    PayPalとWise比較:オンライン決済代行(PayPalのみ)

    PayPalは海外送金サービスであるだけでなく、オンラインで商品を販売する際の決済代行サービスとしての機能もあります。これは、オンラインショップがPayPalを介して支払いを受けとることができる、ということです。なお、Wiseはオンライン決済代行は行っていません。

    PayPalで商品代金の支払いを受け取るには、まずビジネスアカウントを開設または個人アカウントからアップグレードする必要があります。

    取引内容受取手数料
    日本国内の取引3.60% + 40円
    海外の取引4.10% + 固定手数料(受け取った通貨によって異なる)

    商品やサービスの代金の支払いを受け取る商用取引は、個人間の送金とは区別され、受取人(販売者)が受け取りの際に手数料を支払う必要があります。さらに、海外との取引には通貨両替に伴う手数料も発生するので注意が必要です。

    例えば、アメリカのオークションサイトで商品を1,000ドルで販売したとします。
    この時の実際の為替レートが、1ドル=144円とします。

    1,000ドル = 144円/ドル × 1,000ドル = 144,000円。

    しかし、外貨を日本円に変えて受け取る際には、為替手数料(通貨換算手数料)が3%(受け取りの場合)かかるので、144,000円 × 3% = 4,320 円が為替手数料として引かれます。

    つまり、144,000円 - 4,320円 = 139,680円。

    さらに、ここから海外取引手数料として4.10% +固定手数料(40円)がかかるので、139,680円 * 4.10% + 40円 = 5,766円が海外取引手数料として引かれます。

    その結果、実際に受け取れる金額は、139,680円 - 5,766円 = 133,914円。

    元々の1,000ドル(144,000円)と比べると、10,086円つまり7%ほどの手数料が引かれていることになります。

    ここからわかる様に、PayPalの為替手数料と海外取引手数料は高額になりかねないため、PayPalをビジネスの支払い受け取り手段として使う際には手数料をしっかり理解しておくといいでしょう。

    支払いの受け取りをカード決済ではなく銀行振込でもできるという場合は、PayPalの代わりにWiseなどの他の選択肢も検討してみてもいいかもしれません。

    Wiseを使えば、米ドルをはじめとする10通貨を外貨のまま受け取り手数料無料で受け取ることができ、またアカウント内で格安の両替手数料(米ドル→日本円の場合、0.5%)で日本円に両替することができますよ。

    まとめ

    いかがでしたか?PayPalWiseはどちらも海外送金ができるサービスですが、手数料やその他機能の面で大きな違いがあることが分かります。オンラインでEコマースを運営するならPayPal、日常使いならWiseというように、シーンに合わせて最適なサービスを使えるとよいですね。

    さらに両者の特に大きな違いは、為替レートに含まれた為替手数料です。Wiseが常に為替手数料なしのミッドマーケットレートを使っているのに対し、PayPalでは通貨の両替に3~4%の手数料がかかります。これは海外とのやり取りが多い人にとって大きな痛手となりかねません。

    そのため、為替手数料を気にせず海外送金を行いたいなら、Wiseがよりおすすめです。Wiseアカウントを使えば10通貨を無料で受け取ったりWiseデビットカードを使ってそのまま残高を日々の決済に利用もできます。もちろん、80以上の国へ海外送金も簡単に行えるので、この機会にWiseアカウントの使用を検討してみては?

    今すぐWise無料登録🚀


    ソース

    1. About Us - PayPal
    2. ペイパル、日本のカントリーマネージャーに曽根 崇が就任
    3. https://jp.trustpilot.com/review/paypal-credit.com
    4. https://jp.trustpilot.com/review/wise.com
    5. PayPal パーソナルアカウント|手数料の詳細
    6. 海外送金|個人向け-PayPal(ペイパル)
    7. 取引可能な通貨|サポート-PayPal(ペイパル)
    8. PayPalプレミアおよびビジネスアカウントの手数料
    9. ご利用手数料|個人向け-PayPal(ペイパル)
    10. PayPalシミュレーション2022年9月7日11:15(GMT+3)
    11. Wiseシミュレーション2022年9月7日11:16(GMT+3)

    *最新の手数料に関する情報は、お住まいの地域の利用規約およびサービスの利用条件をご確認いただくか、Wiseの手数料ページをご覧ください。これは一般的な情報提供を目的としたものであり、Wise Payments Limitedまたはその子会社、関連会社による法律、税務、その他の専門的なアドバイスを意味するものではありません。また、ファイナンシャルアドバイザーやその他の専門家によるアドバイスの代わりになるものではありません。



    当社は明示的または黙示的にかかわらず、この内容が正確、完全または最新であることを表明または保証しません。

    国境のない金融

    詳しくはこちら
    パーソナルファイナンス

    海外赴任をした際に、つみたてNISAを継続して利用できる?

    海外赴任の際は一定条件のもとで積立NISA口座の保有を続けられる可能性があります。証券会社によって対応が異なっているため、まずは取引先会社への確認が重要です。海外赴任時のつみたてNISA口座の扱いや、海外赴任を便利にするWiseのサービスについて解説します。

    Yuyuki Tanno
    2023年11月21日 6分で読めます

    役立つ情報、ニュース、お知らせ