Revolut法人口座の開設方法は?日本法人も開設できる?

Hoi Yi Leung

Revolutの法人口座は、グローバルにビジネスを展開する企業にとって、非常に魅力的なサービスです。しかし、以下のような疑問を抱いている人も多いはず。

  • Revolut法人口座は日本の企業でも利用できるのか?
  • 手数料はどのくらいかかるのか?
  • 他の口座サービスとどう違うのか?

実は、現時点では日本で登録された企業は「Revolut Business」を利用できません。しかし、オーストラリアやアメリカ、イギリスなど、サポートされている国で法人登録され、物理的な拠点がある企業であれば、日本企業でもRevolutの法人口座を開設することが可能です。

そこで本記事では、Revolut法人口座の特徴や手数料、開設に必要な条件について詳しく解説しますので、ぜひご参考にしてください。

目次🔖

Revolut法人口座の特徴

Revolutは、ビジネスユーザー向けに複数の法人口座プランを提供しており、特にイギリスを中心に多くの企業が利用しています。

各プランは企業の規模やニーズに応じて異なる特徴を持っており、月額手数料や利用できるサービスが異なります。ここでは、イギリスで利用可能な4つの主要プランについて詳しく説明します。

特徴BasicGrowScaleEnterprise
月額手数料£0£19~

(年間プランだと割引あり)

£79~

(年間プランだと割引あり)

カスタム
国際送金手数料無料回数0525カスタム
国内送金手数料無料回数51001,000カスタム
一括支払い機能×
ボーダレスアカウント
GBP口座の詳細
SWIFTアカウントの詳細
定期支払い・予約支払い
銀行間レートでの通貨交換£1,000£10,000£50,000カスタム
25以上の通貨保有・交換
貯蓄口座×2.25% AER/最大£0.5M2.75% AER/最大£1M3.51% AER/最大£2M
制限注文・ストップ注文×
先物為替契約
メタルカード×1枚無料2枚無料カスタム
プラスチックカード
バーチャル企業カード
ATM引き出し
150以上の通貨対応
無制限のチームメンバー
チームメンバーの権限設定
分析機能×
アカウントアクセス×
経費管理
経費承認×
決済承認×
ウェブ決済の受け入れ
支払いリンク・QRコード
請求書作成・管理
Revolut Payでの店頭決済
カードリーダー
iPhoneタップでの支払い
決済受入手数料0.8% + £0.02~0.8% + £0.02~0.8% + £0.02~カスタム
アカウント管理×××
24時間365日サポート
ビジネスAPI×
アプリ連携
報酬プログラム×
モバイル・ウェブ対応

この表からわかるように、Revolutの法人口座には、「Basic」、「Grow」、「Scale」、「Enterprise」の4つのプランがあり、それぞれのプランには異なる特徴とサービスが提供されています。プランが上がるごとに、利用できる機能が増え、取引やサポートの面で充実したサービスが利用可能です。

Basicプラン

Basicプランは「無料」で利用でき、基本的な機能が揃っています。国内送金手数料が無料になる回数も提供されており、150以上の通貨への対応などが機能に含まれています。

しかし、国際送金や大量支払い機能が制限されており、サポートやAPIの連携も提供されていません。

Growプラン

Growプランになると、「月額£19~」でBasicプランの制限が大幅に緩和されます。

無料の国際送金が5回利用できるほか、ビジネスAPIやアプリとの連携が可能になり、経費承認や決済承認といった機能も追加されます。また、メタルカード1枚が無料で提供され、無制限のチームメンバー追加が可能です。

Scaleプラン

Scaleプランはさらに機能が充実しており、「月額£79~」でGrowプランの機能に加え、国際送金手数料無料回数が25回に増加し、より大規模な企業向けのサービスが利用できます。

貯蓄口座の利率も高くなり、さらにメタルカードが2枚無料で提供されます。大量のトランザクションやチーム管理が必要な中規模以上の企業に適しています。

Enterpriseプラン

Enterpriseプランは、カスタム価格で最も幅広いプランです。大規模な企業や特殊なニーズに合わせたカスタマイズが可能で、他のプランにない専用のサポートや高度な機能が提供されます。国際送金の無料回数や支払い機能も企業のニーズに応じて柔軟に対応可能です。

まとめると、プランが上がるごとに、国際送金や大量支払い、チーム管理、サポート体制などが強化され、企業の規模やニーズに合わせたより高度な機能が利用できるようになります。

Revolut法人口座の手数料

Revolut法人口座では、利用するプランに応じて様々な手数料が発生します。ここでは、代表的な手数料である「ATM引き出し手数料」や「国際送金手数料」などについて解説します。

年会費

Revolutの法人口座プランでは、年会費はありません。その代わりに「月額手数料」が発生します。(Basicプランを除く)また、年間契約であれば、割引が適用されます。

プラン名BasicGrowScaleEnterprise
月額料金無料£19~£79~カスタム料金

月額料金に応じて、利用できる機能やサポート範囲が変わるため、ビジネスのニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。

ATM引き出し手数料

ATMでの現金引き出しには、すべてのプランで2%の手数料がかかります。また、引き出し可能な金額は、「1日あたり£3,000」までとなっており、特にATM利用時には追加の手数料や両替レートの違いが発生する可能性があります。そのため、Revolut Businessアカウント内で事前に通貨を両替しておくことがおすすめです。

国際送金手数料

国際送金に関しては、プランごとに無料で送金できる回数が異なります。

プラン名BasicGrowScaleEnterprise
無料送金回数0回5回25回カスタム料金

無料枠を超えた場合には、「1回あたり£5」の手数料が発生します。

国内送金手数料

国内送金に関してもプランによって無料枠が設定されており、無料枠を超えると手数料が発生します。

プラン名BasicGrowScaleEnterprise
国内送金無料回数5回100回1,000回カスタム料金

無料枠を超えた場合、「1回あたり£0.20」の手数料がかかります。

決済受付手数料

決済受付に対しては、「0.8% + £0.02~」の手数料が発生します。これは各取引、カードブランド(VisaやAmerican Expressなど)の種類によって変動します。

このように、Revolut法人口座は各プランに応じて手数料が細かく設定されており、企業の規模や取引量に応じて適切なプランを選ぶことで、コストを最適化しつつ、便利な国際送金や多通貨管理機能を利用できます。

Revolutで口座を開設する資格

Revolutで法人口座を開設するには、いくつかの資格基準を満たす必要があります。残念ながら、現時点(2024年9月時点)では、日本で法人登録された企業はRevolutの法人口座を開設することはできません。

しかし、他のサポートされている国に登録され、物理的な拠点がある企業は、法人口座を利用することが可能です。

Revolut法人口座の開設には、以下の基準を満たしていることが必要です。

  • 企業がRevolutでサポートされている国に法人登録されていること
  • 物理的なオフィスや拠点がサポート国に存在していること
  • 現在の法定住所が英国、スイス、またはEEAであること
  • 企業が法人化され、活動していること
  • 企業の法的形態が、慈善団体、公共部門での運営、協同組合としての活動ではないこと
  • 特定の業界でないこと(詳しくはこちらをご参照ください。)

対応国一覧

Revolut Businessの法人口座は、以下の国および地域で利用可能です。

対応国対応地域
オーストラリアオーランド諸島(フィンランド)
オーストリアアゾレス諸島(ポルトガル)
ベルギージブラルタル(英国)
ブルガリアガーンジー島(英国)
クロアチアマン島(英国)
キプロスジャージー島(英国)
チェコ共和国マデイラ諸島(ポルトガル)
デンマークマヨット島(フランス)
エストニアカナリア諸島(スペイン)
フィンランド
フランス
ドイツ
ギリシャ
ハンガリー
アイスランド
アイルランド
イタリア
ラトビア
リヒテンシュタイン
リトアニア
ルクセンブルク
マルタ
オランダ
ノルウェー
ポーランド
ポルトガル
ルーマニア
シンガポール
スロバキア
スロベニア
スペイン
スウェーデン
スイス
英国
米国

今後の拡大予定

現状Revolutの法人口座を開設できない状況であっても、今後その対応国や地域を今後も拡大する予定になっています。そのため、サポートされていない国に法人が登録されている場合でも、優先待機リストに登録することで、サービスが利用可能になった際に通知を受け取れます。

これらのことから、Revolutで法人口座を開設する際には、企業の登録国とその国での物理的な存在が重要な条件となります。サポート国のいずれかに登録された企業であれば、Revolutの多彩なビジネス機能を利用して、グローバルな事業運営をよりスムーズに行うことが可能です。

Revolut法人口座を開設するのに必要な書類

Revolut法人口座を開設する際には、企業の正当性や活動を証明するためにいくつかの書類が必要となります。申請プロセスをスムーズに進めるために、指定された書類を準備しましょう。法人口座開設時に求められる書類は、以下の通りです。

  1. 本人確認書類:ビデオセルフィー、国民ID、居住許可証などの本人確認
  2. 事業登録証明書:会社の登記証明書や法人登録証明書
  3. 事業活動の証明:事業内容を証明する書類(ウェブサイトやサプライヤーとの契約書、売上請求書と一致する銀行明細など)
  4. 運営所在地の証明:企業の実際の運営所在地を証明する書類
  5. 役員と主要株主のリスト:会社の役員と25%以上の株主に関する情報が含まれた書類

これらの書類をすべて事前に準備しておくことで、Revolut法人口座の申請プロセスがスムーズに進みます。もし書類に不備がある場合は、追加の確認や再提出が必要となる可能性があります。

Revolutで口座を開設するための最低残高

Revolutで法人口座を開設するための、最低残高については記載ありません

※参考として、個人口座に関しては最低残高の制限はなし。(初期入金額は不要)

Revolut法人口座開設方法

もし、あなたの企業が条件を満たしている場合、オンライン上で、以下の手順でRevolutの法人口座を開設することができます。

  1. サインアップページにアクセス
  2. 個人情報の入力:氏名・住所・生年月日
  3. 会社情報の入力:会社名・登録番号・商号
    ※会社がデータベースに見つからない場合は、最新の設立証明書や登記簿抄本をアップロードする必要があります。
  4. 本人確認書類の提出:氏名や住所が確認できる身分証明書の写真・自撮り写真・会社の事業内容や所在地の証明
  5. 承認証明の提出(必要な場合):取締役や株主でない場合は、会社名義でアカウントを開設する権利があることを証明する承認証明が必要です。
  6. 申請内容の送信
  7. 承認を待つ:Revolutのチームが申請内容を確認し、場合によっては追加の問い合わせがあります。承認されるとアカウントが開設され、利用を開始できます。

とはいえ、現在(2024年10月時点)、日本はRevolutのサポート国の対象ではないため、法人口座を開設できません。そのため、代替案としてWiseをご紹介します。Wiseは、国際的な金融取引や海外送金を頻繁に行う方にとって、非常に強力なツールです。

Wise法人口座の開設方法

Wiseの法人口座は、オンラインで簡単に手続きが行えます。具体的には、以下のステップです。

  1. Wiseビジネスのページにアクセスし、「会員登録」をクリック。
  2. メールアドレス、Facebook、Google、またはAppleアカウントのいずれかでアカウントを登録。
  3. 法人情報(氏名や住所など)を指示に従って入力。
  4. 身分証明書類をアップロードし、確認手続きを行います。

本人確認が完了すると、送金が可能になります。

Wiseの法人口座を開設する際、個人事業主の場合は事業主本人が、その他の法人(株式会社、有限会社など)の場合は、代表取締役がアカウントを開設する必要があります。個人事業主の方はこちらも、合わせてご参照ください。

Wiseで法人口座を開設

Revolutで法人口座を開設するのにかかる時間

Revolutの法人口座は、簡単なフォームに記入するだけで約10分で開設できます。しかし、会社の規模や書類の内容によっては時間がかかる場合もあります。そのため、問題が解決せず1週間以上経過した場合は、サポートに問い合わせましょう。

※現在(2024年9月時点)、日本はサポート国に含まれていないため、Revolutの法人口座を開設できません。

まとめ

Revolut法人口座は、短時間で簡単に開設でき、国際送金や多通貨取引に便利なサービスを提供しています。しかし、現在日本はサポート国に含まれていないことから、Revolutの法人口座を開設できません。

その点、Wiseは日本の企業にも利用できる点や、低コストの海外送金で特に優れた代替案として非常に強力なツールです。Wiseは、「ミッドマーケットレート」を使用して通貨を交換し、40種類以上の通貨を一つのアカウントで保有できるため、為替手数料を大幅に抑えながら海外取引をスムーズに行えます。

また、Wiseでは、70か国以上への送金が可能で、現地のUSD、EUR、AUDなどの口座詳細を取得し、現地通貨での受け取りができるため、グローバルな取引を効率化することが可能です。

Wiseの主なメリットまとめ

  • 40通貨以上を保有可能
  • 「ミッドマーケットレート」で有利な為替交換
  • 70か国以上への低コスト送金
  • 現地通貨での口座詳細の取得と受け取り

海外送金・外貨支払いに:Wise🚀


ソース

  1. Revolut:Pick a plan tailored to your business needs
  2. Revolut:Supported countries and territories for Revolut Business
  3. Revolut:Documents needed to open a Business account
  4. Revolut:How to get started with Revolut Business

*最新の手数料に関する情報は、お住まいの地域の利用規約およびサービスの利用条件をご確認いただくか、Wiseの手数料ページをご覧ください。これは一般的な情報提供を目的としたものであり、Wise Payments Limitedまたはその子会社、関連会社による法律、税務、その他の専門的なアドバイスを意味するものではありません。また、ファイナンシャルアドバイザーやその他の専門家によるアドバイスの代わりになるものではありません。



当社は明示的または黙示的にかかわらず、この内容が正確、完全または最新であることを表明または保証しません。

国境のない金融

詳しくはこちら
ビジネス

auじぶん銀行の法人口座開設は紹介制!他のおすすめネット銀行

auじぶん銀行の法人口座は紹介制という条件になっています。auじぶん銀行の法人口座の紹介制とはどのような条件になっているのでしょうか。auじぶん銀行に法人口座を開設する条件やメリット、法人口座に対応している他のネット銀行などについて分かりやすく解説します。

Hoi Yi Leung
2024年10月25日 7分で読めます
ビジネス

ソニー銀行の法人口座開設はできない!他のおすすめネット銀行

ソニー銀行は法人口座を開設できない銀行です。ネット銀行などの金融機関のすべてが法人口座開設に対応しているわけではないため、注意してください。ソニー銀行に似ているタイプの銀行で法人口座開設に対応している銀行や、それぞれの法人口座のおすすめの特徴などを解説します。

Hoi Yi Leung
2024年10月23日 7分で読めます
ビジネス

難しい?三菱UFJ銀行の法人口座を開設するには

この記事では三菱UFJ銀行の法人口座開設手続きや口座開設の必要書類、法人口座の維持管理に必要な手数料、海外送金の手数料、法人口座開設は難しいか、インターネットバンキングの手数料などを解説しています。海外などとの取引のために法人口座の解説を検討している方に便利なサービスであるWiseについても併せて説明しています。

Hoi Yi Leung
2024年10月23日 10分で読めます

役立つ情報、ニュース、お知らせ