フォワード契約とは?仕組み・メリット・注意点をわかりやすく解説

Sasha Kiyokawa

フォワード契約

フォワード契約(Forward Contract)とは、将来の決まった日に、あらかじめ決めた価格や為替レートで、資産や通貨を売買・交換する契約です。

たとえば、3か月後に海外の取引先へ米ドルで支払う予定がある場合、契約時点で為替レートを固定しておけば、将来いくら円で支払うことになるかを見通しやすくなります。

国際取引では、為替レートや価格の変動によって、将来の支払額や仕入れコストが想定より増えることがあります。フォワード契約は、こうした不確実性を管理するための手段のひとつです。

ただし、価格や為替レートを固定する仕組みのため、将来の相場が自社にとって有利に動いた場合でも、その恩恵を受けられないことがあります。また、契約相手が支払いや引き渡しをできなくなるリスクや、契約条件が複雑になりやすい点にも注意が必要です。

海外の取引先への支払いや外貨管理をよりシンプルにしたい場合は、Wise(ワイズ)法人アカウントのように、ミッドマーケットレートと透明性のある手数料で国際送金できるサービスを比較してみるのも一案です。

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フォワード契約とは?

フォワード契約とは、将来の決まった日に、あらかじめ決めた価格や為替レートで、商品・金融商品・通貨などを売買または交換する契約です。米商品先物取引委員会(CFTC)の用語集では、商業上の買い手と売り手が、一定の品質・数量の商品を将来の指定日に引き渡すことに合意する取引として説明されています。¹

外国為替の文脈では、外貨フォワード(Foreign Exchange Forward) という形で使われます。これは、2つの異なる通貨を、契約時に合意した固定レートで、将来の特定日に交換する取引です。²

フォワード契約は、通常、取引所で売買される標準化された商品ではありません。契約する当事者同士が、取引する数量、価格・為替レート、決済日などの条件を個別に決める取引で、こうした取引は店頭取引(OTC) と呼ばれます。BIS(国際決済銀行)の用語集でも、フォワード契約は一般的に組織化された取引所では取引されず、契約条件も標準化されていないと説明されています。³


フォワード契約の仕組み

フォワード契約の仕組み

フォワード契約では、主に以下のような条件を当事者間で決めます。

主な条件内容
対象資産商品、金融商品、通貨など
数量売買または交換する数量
価格・レート将来適用する価格、または為替レート
決済日取引を実行する将来の日付
決済方法実際の引き渡し、または現金決済など

たとえば、日本の企業が3か月後に海外サプライヤーへ米ドルで支払う予定があるとします。円安が進むと、同じ米ドル建ての請求額でも、円での支払額は増えます。このような場合、外貨フォワードを使って将来の交換レートを固定すれば、支払額を見通しやすくなります。

Federal Reserve(米連邦準備制度理事会)の資料でも、フォワード契約は将来の費用を固定し、不利な価格変動から保護するために使える一方、有利な価格変動による利益を手放すことにもなると説明されています。⁴


フォワード契約の例

フォワード契約は、国際取引やコモディティ取引など、将来の価格変動が事業コストに影響する場面で使われます。

たとえば、アパレル企業が海外の繊維メーカーから生地を仕入れるケースを考えてみましょう。納品と支払いが6か月後の場合、その間に原材料価格や為替レートが変わる可能性があります。フォワード契約で将来の価格や為替レートを固定しておけば、仕入れコストを事前に見通しやすくなります。

ただし、相場が自社にとって有利に動いた場合でも、契約で決めた価格や為替レートで取引する必要があります。そのため、契約を使わなかったほうが安く支払えた、という結果になることもあります。

フォワード契約は、「損をしないための保証」ではなく、将来の不確実性を一定程度コントロールするための仕組みです。


フォワード契約の種類

フォワード契約は、契約内容や決済日の設定によってさまざまな形があります。代表的な考え方は以下の通りです。

種類概要
確定日フォワードあらかじめ決めた1つの日付に、固定価格または固定レートで決済する契約
フレキシブルフォワード契約期間内の一定範囲で、複数回または任意のタイミングで決済できる契約
長期フォワード通常より長い期間を対象にするフォワード契約
ウィンドウフォワード特定の1日ではなく、決済できる期間の幅を設定する契約

実際に利用できる契約形態、期間、手数料、担保や与信条件は、金融機関やサービス提供会社、契約の相手方、取引金額によって異なります。契約前には、固定されるレートだけでなく、手数料、途中解約・変更の可否、担保や証拠金の要否、相手方リスクも確認しましょう。


フォワード契約と先物契約の違い

フォワード契約と先物契約の違い

フォワード契約と先物契約(Futures Contract)は、どちらも将来の取引価格をあらかじめ決める契約です。ただし、取引の場所や契約条件の決め方には違いがあります。

比較項目フォワード契約先物契約
取引場所当事者間の相対取引が中心取引所で売買されることが多い
契約条件当事者ごとに個別設定されやすい取引所が標準化した条件が多い
流動性契約ごとに条件が違うため、転売や反対売買が難しい場合がある反対売買でポジションを解消しやすい場合がある
相手方リスク契約相手が履行できないリスクがある取引所・清算機関の仕組みによって軽減される場合がある

CFTCは、先物契約を、将来の引き渡しに関する売買契約で、契約開始時に価格が決まり、各当事者がその価格で履行する義務を負い、価格リスクの移転に使われるものと説明しています。⁵

またCFTCは、先物契約とフォワード契約の違いとして、先物契約は反対売買で解消できる一方、フォワード契約は元の契約上の義務が残り得ると説明しています。⁶

米商品先物取引委員会(CFTC)は、米国の先物取引などを監督する政府機関です。


フォワード契約のメリット

フォワード契約の主なメリットは、将来の価格や為替レートを固定できることです。これにより、企業は将来の支払額や受取額を見通しやすくなり、資金繰りや予算管理を行いやすくなります。

特に、海外サプライヤーへの支払い、外貨建て売上の受け取り、輸入・輸出取引などでは、為替レートの変動が利益率に影響することがあります。FINRA(米金融取引業規制機構)は、企業が通貨リスクを管理する方法の例として、影響を受ける通貨のフォワード契約を検討することがあると説明しています。⁷

フォワード契約は当事者間で条件を決めやすいため、取引金額、通貨、決済日などを実際の商取引に合わせやすい点も特徴です。


フォワード契約のデメリット・注意点

フォワード契約には、次のような注意点があります。

  • 相場が有利に動いても、契約で決めた価格や為替レートで取引する必要がある
  • 契約相手が支払いや引き渡しをできなくなるリスクがある
  • 条件や手数料、担保などの仕組みが複雑になりやすい
  • 契約途中で変更・解約したい場合に、追加コストが発生することがある

CFTCの用語集でも、フォワード契約では契約相手が義務を果たせなくなるリスクを各当事者が負う一方、取引所で執行される先物契約は清算機関によってそのリスクが軽減されると説明されています。⁸

また、フォワード契約は価格変動リスクを抑える手段ではありますが、投資や投機の目的で使う場合には損失リスクもあります。実際の支払いや受け取りの予定に合っているか、契約内容を十分に理解できているかを確認したうえで検討することが大切です。


為替リスクを管理するその他の方法

外貨建ての支払いがある場合、フォワード契約以外にも、外貨残高を保有しておく、支払い時期を調整する、取引通貨を見直す、海外送金サービスを比較する、といった方法があります。

ただし、外貨を事前に保有しておくには、その分の運転資金を寝かせておく必要があります。また、銀行によっては希望する通貨の口座を開けなかったり、維持費や送金手数料がかかったりする場合もあります。

複数通貨での支払い・受け取りがある企業であれば、Wise(ワイズ)法人アカウントのように、複数通貨の管理や海外送金に対応したサービスを比較してみるとよいでしょう。Wiseでは、送金前に手数料と為替レートを確認でき、ミッドマーケットレートを使った海外送金ができます。


Wise(ワイズ)で海外取引の支払いをもっとシンプルに

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フォワード契約は、将来の価格や為替レートを固定し、国際取引の不確実性を抑えるために役立つことがあります。一方で、契約内容は複雑になりやすく、費用や相手方リスクも確認が必要です。

海外サプライヤーへの支払いや外貨建て請求書の支払いをよりシンプルに進めたい場合は、Wise(ワイズ)法人アカウントも選択肢になります。Wiseでは、ミッドマーケットレートと事前に表示される透明性のある手数料で海外送金できます。

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まとめ

フォワード契約は、将来の価格や為替レートをあらかじめ固定し、国際取引のコストを見通しやすくするための契約です。 特に、外貨建ての支払いや受け取りがある企業にとっては、為替変動リスクを管理する手段のひとつになります。

一方で、相場が有利に動いた場合の利益を得にくいことや、相手方リスク、契約条件の複雑さには注意が必要です。利用を検討する際は、固定されるレートだけでなく、手数料、途中解約の条件、担保や与信の要否まで確認しましょう。


出典
  1. CFTC - Futures Glossary: Forward Contract - フォワード契約の定義、相対取引、商品売買における説明
  2. CFTC - Futures Glossary: Foreign Exchange Forward - 外貨フォワードの定義
  3. BIS Data Portal - Glossary: Forwards and swaps - フォワード契約の店頭取引性、非標準化に関する説明
  4. Federal Reserve - U.S. Cross-Border Derivatives Data: A User's Guide - フォワード契約の仕組み、ヘッジ用途、利点と機会損失
  5. CFTC - Futures Glossary: Futures Contract - 先物契約の定義
  6. CFTC - Economic Purpose of Futures Markets and How They Work - 先物契約とフォワード契約の反対売買に関する違い
  7. FINRA - Currency Risk: Why It Matters to You - 通貨リスクとフォワード契約によるヘッジ
  8. CFTC - Futures Glossary: Counterparty Risk - フォワード契約の相手方リスク、先物契約の清算機関による保証

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